英語の基本位置って?

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『英語の基本位置』について考えてみましょう。

スライドメソンどの考え方のベースには、『英語の口の構えと舌、日本語のそれらとは違うので、英語の発音をする時には、基本位置を作る必要があると考えられています。

その基本位置は、『ほおあげ、あごゆる、妖怪ほぐし、梅ほぐし、そしてスライド』の5つのポイントを同時にセットされる状態で、英語の口の構えになります。

ところが!?

これが奥が深く、教科書に書いてあるように『1日2分最低2週間の練習をきちんとやっても、なかなか『これだ!』と実感できずに全音を学び始める方もいらっしゃるかもしれませんね。

それはなぜか?

  • 日本語を離していた期間が圧倒的に長く、英語の基本位置に慣れるのに時間がかかるから     
  • 2つ以上の音を繋いだ時に日本語の口や舌に一気に戻るから(日本語連動)                    
  • 言語の文化的背景が違うから

一つずつ考えてみましょう。

1、英語発音の習得は『基本位置』が1番の近道

赤ちゃんの頃は皆ゆるゆるな口と舌で、もちろん言葉も話すことはありませんでした。なのでよだれが出て、難語を話し始めるのですよね。そこから、『あかるいあさひだ、あ、い、う、え、お』と日本語をはっきり話せるように訓練していきます。

対して、英語は、日本語とは全く違い、顔まわりの筋肉を鍛えたりせず、純粋に英語の音を聞き再現されることで意思疎通ができるようになります。ゆるゆるの舌のまま、筋肉連動なく言語を習得していくわけですから、口周りが動こうと動くまいと、舌はずっとゆるゆるの言語なのです。

それらの違いがあるので、日本語を習得した人が、英語の基本位置に慣れるにはどうしても時間がかかる人もいるのです。

あえて『時間がかかる人もいる』と述べたのには、その習得には、『個人差』が影響しているからです。同じ学びをしても、一瞬で理解してしまう感覚派としっかり理論を言語化しないとダメな理論派がいて、タイプによっても違うのですね。

また、中には、『は?これが英語の口?そんな馬鹿な。ネイティブそんな口してないし。』とハスに構え、受け入れられない人がいると思います。こんなタイプの方は、その方にあったメソッドをお探しになる果てしない旅に出られるんだと思います。

このような、英語と日本語の口と舌の違いを明確に示して、英語の基本位置を学べるメソッドはどこにもなく、唯一無二。英語発音の習得には、『基本位置』を体得するのが、1番の近道になるかと思います。

2、日本語連動とは

つまり!『カタカナ』になるということです。日本語には、『パピプペポ』のように、一音に一つの母音がついています。おまけに日本語には、『ローマ字』というカテゴリーもあり、これらの情報が余計に英語の発音の習得を難しくしているのです。

英語は、『母音、子音、二重母音』というカテゴリーの中で、子音には母音は一切つかない!!    そのことを理論的にしっかり理解し、練習、再現していくことでのみ、英語の発音を体得できる道はないと言っても過言ではありません。

特に、『一つずつの音はできるようになったけど、2つ以上繋げると一気に崩れる』という悩みを持った人が多くいます。それは、『子音の音を純粋に再現できず、英語には入っていないはずの母音が出てくるから』起きてしまうのです。

『s』を『ス』、『p」を『プ』などと捉える潜在意識が、音と音をつなげた時に出てくることで、英語の音にならず、リズムが変わってきてしまうのです。

3、言語の文化的背景とは?

『日本語は気遣いの言語』だと感じるのは、日本語の話し方に特徴があるからです。              『駅のアナウンス、エレベーターガールの案内(昔?)、選挙の宣伝カーに、、、』数えたらキリがありませんね。かくいう私も幼児教育に長年携わっていたので、その癖が抜けない、という自覚があります。

さまざまな日本語の話し方あれど、共通しているのは、『聞き手のことを考えている』ということ。  話す相手にどういう印象を与えるか?ということが考えられていると思われます。

もちろん、英語にも営業トークや独特の話し方もありますし、地域や人種によっての訛りもあります。けれど、英語を話す人の共通することは、『自分の伝えたいことをはっきり伝える』ということ。 決して、相手を気遣っていない、と言っているのではなく、『相手がどう思うかより、自分の意思をはっきり伝えることが気遣い』なんだと思います。

日本語は、『口元を隠す』ことをよしとするため、上唇を下げて話したり、『口をポカーンと開けてないの!』と言われて育ったり、相手によくない印象を与えない話し方をすることなどの文化的背景が、 さらに英語の基本位置の習得を難しくしている要因の一つかと思います。

英語の基本位置を体得するにはどうしたらいいのか?

それでは、どうすれば『英語の基本位置を体得できるのかを先ほどの3つの観点から考えてみましょう。

1、英語の基本位置を体得する方法は…

長く日本語を離してきた人にとって、英語の基本位置を体得するには!?
ズバリ!!指を使うことです。

私のレッスン内で生徒さんにお伝えすることの一つに、『指あごぶら』というのがあります。        『ほおあげ』と呼んでいる上唇の位置にフワッとセットされた状態になれるのは時間がかかるのと余計な力が入るのを防ぐため、『ほおあげポイント』というところを指で支えてい維持させます。

『ほおあげを指に100%お願いすること』により、『妖怪ほぐし、ほおあげ』という2つの条件ができ、同時に『あごゆる、梅ほぐし、スライド』ができます。顔のどこにも余計な力みがなくなると、初めて『あごが100%ぶら下がり、梅干しも緩み、上歯の舌のラインに沿って下唇の上のラインがスライドする』という状態になるのです。

大事なのは、『その三角笛という状態で、へーっと息を吐き、舌の横幅を広げ、その舌の横幅のままハアーっと息を吐く。』ことで、自然舌という上歯にとても近いところにベロが無力に広がっている状態にする、それが『英語の基本位置』なのです。

2、日本語連動に負けず!音と音を繋ぐには?!

それは!母音、子音、二重母音、それぞれの音はどんな条件でできているか?を厳密に理解し再現できるようになる!ことが大切です。

その仕組みをしっかり理解し、『息の物理』で音がつながっていくこと。それができれば簡単!    と言いたいところですが、そこにはやはり根気と諦めない強い意志が必要になってきますので、、少々お時間がかかるかもしれませんね。

でも、一度体得できたら、2度とカタカナに戻らない、確固たる英語発音は身につくのです。

3、言語の文化的背景を打破するには!

これはもう、、、、開き直るしかありません。

『口ポカーン?文句ある?』『どう思われようと英語の発音はこうよ!(怒ってないけど)』

というのは極端かもしれませんが、私の周りにいるネイティブの方達は、腹の底からの発声で, NOはNOと言わんばかりに、はっきりものをおっしゃいます。

アメリカに来た当初は、『この人の言い方きついな。』と感じたりしたけど、何年も住んで、ようやく、『あ、この人別に怒ってるわけじゃないのね。』と思えるようになりました。『この息の量が、英語の発声に関係している。』ということが掴めると、英語の息の使い方のヒントになるかもしれません。

また、息と関連して、『声と喉』についての日米の違いがあります。

ここからは、『基本位置』ができて、いよいよ発声する『単母音1』という話になっていきますので、今回はここまで。

<最後に>

『英語の基本位置は1日2分最低2週間』

教科書に書いてある通りに、ちゃんと実践する人が、どれくらいいるのでしょう?            

かくいう私も、その地道な練習の大切さを初めから理解していたかというと、そんなことはなく、  『早く、英語の単語や文章を発音したいな。』とウキウキ授業を聴いたり、ハルカ先生の楽しい授業をノートにとって、いらんイラストを描いたりしていた記憶があります。       

英語発音を学び始めた人は、『早く進みたい!』と教科書をどんどん学び進めていくうちに、『あら?英語の基本位置って、、』と途中から悩んだり、『本当は自分は、基本位置を分かってなかった、、、。』と愕然としたりする人もいるのが現実です。

私がインストラクターを目指すことを決めて歩んだ道のりは、『真の基本位置を獲得する』道のりだったように感じます。それくらい重要な英語の基本位置。

『もうこうなったら、、無理矢理ほお上げだ!』と思いきりあげてみたら掴めた、ほおあげポイントを見つけた時の感動!スケジュール帳という名の息子の使いかけの国語のノートの9月15日の欄には、

『ほおあげの神が微笑んでくれたから、9月15日はほお上げ記念日』

と書き込み、1〜2週間後にあごが痛くなったりしましたので、良識あるみなさんは、どうぞ真似せずに。

ほおあげポイントで指を支えて、15分経過、、、、流石にいろんなところが痛くなりやめたり。

海でお散歩しながら、基本位置を探っていた時、何かが降りてきて、スライドが分かった瞬間、嬉しくて一人で涙したこともありました。周りの人はさぞ、不思議に思ったことでしょう。(不審に)

そんな道のりで、期間をかけて編み出した『最強基本位置の獲得法』や『忙しくてもできる勉強法』などなどがたくさんあるので、そんなことをシェアしていくことで、学びと途中で悩んでいる方の力になれるようにしていきたいと思います。

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